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経営者ヤブシタホールディングス森忠裕社長に学ぶ「約束」 と 「誠実」
2025.11.21
経営者ヤブシタホールディングス森忠裕社長に学ぶ「約束」 と 「誠実」
経営者として歩む中で、心から「この人のようになりたい」と思える人に出会えることは、人生の中でもそう多くない。私にとって、その一人が――ヤブシタホールディングス代表取締役、森忠裕社長だ。
私はこの方を心から尊敬し、そして敬愛している。なぜなら、彼には「幼児性」と「発想力」、そして「マクロとミクロの両視点を併せ持つVISION」がある。それは子どものような純粋さと、経営者としての戦闘力を併せ持つ、稀有なバランスだ。
自分で言うのもなんだが、正直に言えば――„フィーリングが合う経営者"だと感じている。
そして今、ヤブシタホールディングスとワンダーストレージホールディングスは「クロス研修」という、2社合同の幹部研修を行っている。
この企画の火付け役は、我が社の„バーサーカー看護師"こと後藤常務だ。人付き合いが得意ではない両社長を口説き(ときに叱り)、無理やり日程を詰め、強引にスタートさせた。だが結果的に、これが両社のリーダーたちにとって、心の距離を縮める大きな転機となった。その背景にも、森社長の「人を信じる力」と「人を生かす度量」があったように思う。
今回は、そんな森社長の「人間力」がにじむ2つのエピソードを紹介したい。
【エピソード①】約束をどんな状況でも守る人
信頼とは、奇跡ではなく、„約束を守り続ける習慣"の結果である。
「忙しかった」「忘れていた」「他に優先があった」――そんな言い訳を口にする人に、運も縁も集まらない。どんな小さな約束でも守る人は、相手の心に„信用の種"をまく。そしてその種が、やがて人を惹きつける力に変わる。
ある日、森社長と会食の約束をしていたときのこと。
開始直前に電話が鳴った。「ごめん!けいちゃん!ちょっとだけ遅れる!ほんとごめん!」
珍しいことだと思いながら待っていると、10分後、汗を滲ませて現れた森社長。左足を引きずりながら、時速1キロにも満たない歩みでゆっくりとやってきた。席に着くなり、深々と頭を下げてこう言った。
「本当にごめん!遅れた!実はさ、重度の坐骨神経痛で10歩歩くのもやっとなんだよ(泣)。でも乾杯したら坐薬打って、痛み忘れるからさ!今日は楽しもう!」――その瞬間、胸の奥が熱くなった。
本当に、この人は„徳"の高い人だと思った。痛みを押してでも約束を守る。心配をかけまいと、笑顔で場を明るくする。そして夜遅くまで、痛みを感じさせないほど楽しそうに語り続けていた。
そういう人には、やはり人が集まる。約束を守る人には信頼が集まり、信頼の輪には、運と縁が流れ込む。――それを、森社長は生き方そのもので示している。
【エピソード②】誠実な人
誠実とは、「相手の立場に立って行動を選べる勇気」のことだ。
ある日、私の愛犬・しずかが亡くなった翌日に、以前から約束していたアポイントがあった。
相手は、誰よりも誠実で、約束を絶対に破らない人――そう、森社長だった。
しかし当日の朝、「けいちゃん悪い!アポイント、リスケしてくれないか?ちょっと用事あってさ」とLINEが届いた。正直、その時は少し寂しかった。„あの森さんが?" „しかも理由も言わず?"しずかの火葬を終え、空っぽの気持ちのまま過ごしていた私には、胸に刺さる出来事だった。
それから一週間後。「こないだ行けなかったアポイント、また行ってもいい?」と連絡が来た。不思議に思って尋ねると、森社長はこう言った。
「本当は前回、めちゃくちゃ行きたかったんだ。でも、しずかが亡くなった次の日だったでしょ?俺だったら無理だもん。どうせけいちゃんは、無理してでも誠実に相手するでしょ?だったら、友達として俺は„行かない"って決めた。落ち着いた頃に改めてお邪魔したいなと思ってさ。」――その言葉を聞いて、心が震えた。
「行かない」ことを選ぶ勇気。
„自分がどう見られるか"ではなく、„相手がどう感じるか"を優先する判断。
それが、真の誠実さだと気づかされた。
誠実とは、正直に話すことではない。
誠実とは、相手の心に対して正直であること。森社長はそれを、言葉ではなく„行動"で示していた。派手さのない美徳だが、いざという時、人の深さは行動で決まる。「何を言うか」ではなく、「どう在るか」。相手を想って一歩引く――それが、森社長の誠実さだ。
【あとがき】運と縁の交差点に、人間力は宿る
この2つの出来事は、どちらも私の心に深く刻まれている。
そして、これらのエピソードは、来年3月刊行予定の私の著書
『運と縁型経営―偶然を必然に変える15年の挑戦』の中にも収録されている。
「運」と「縁」は、決して偶然ではない。
人の誠実さや、約束を守る姿勢の中に、必ず流れ込んでくる。森社長のように„人としての在り方"を貫く人には、自然と人も運も縁も集まる。そしてそれこそが、経営の本質だと私は思う。
この社内報を読んでくださった皆さん。
ぜひ書店やAmazonで『運と縁型経営』を手に取ってみてください。
私が心を込めて書いた一冊です。
森社長との出会い、そして皆さんとの縁が、また新しい運を呼び込むことを願って。

佐藤 肇祐Sato Keisuk
ワンダーストレージホールディングス株式会社
代表取締役 兼 CEO
株式会社セブンブレンチ 代表取締役