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2025.08.15

経営者は”改善すべき存在 “なのか?

 以下の文章は、現在取締役・執行役員、決裁権限や実行権限がある管理職の方に読んでいただきたく書きました。お目汚しもあると思いますが、ご容赦ください。

 近年、SNSやビジネス系メディアで「経営者はもっと従業員の声に耳を傾けるべき」「リーダーが変われば組織は変わる」といった論調をよく見かけます。一見、正しそうに見えるこの主張ですが、私はそこに強い違和感を抱いています。なぜなら、それは„ 現実の経営“をあまりに軽く見ていると感じるからです。

 たとえば、「経営者はもっと優しくあるべき」「謙虚であれ」「従業員ファーストを徹底すべき」――そうした言葉は、現場で日々奮闘する従業員にとって心地よく響くかもしれません。しかし、大勢に迎合しすぎた„やさしさ“が、企業の土台を蝕んでいく危険性も同時に孕んでいます。

 実際に何百人、何千人という仲間の生活を背負い、未来に向けて新しい事業を創り続けるリーダーには、「優しさ」以上に「決断力」と「覚悟」が求められます。時には嫌われることを恐れず、孤独に耐えながら、誰も見たことのない未来を切り拓く必要があります。そうでなければ、大きな組織や社会インフラを担う企業など築けるはずがありません。
 私たち経営者が日々直面するのは、資金調達、人材確保、法的リスク、そして組織内の信頼構築や裏切りまで含めた„ 複雑すぎる現実“です。
 表面上の「対話」や「寄り添い」だけでは解決できない局面 が無数に存在します。にもかかわらず、まるで経営者という存在が„ 未熟で、改善すべき対象“であるかのような論調が一部で蔓延しているのは、経営の実態を知らない立場からの声だからこそでしょう。

 もちろん、経営者が変化を恐れてはならないのは事実です。時代や組織のフェーズに応じて、自らを見つめ直す力は欠かせません。ですがそれは「他人に評価されるために自分を変える」ということではなく、「組織と社会の未来を守るために、自らが進化し続ける」という意思に基づいたものであるべきです。

 「みんなの声を聞け」「もっと改善しろ」と言うのは簡単です。しかし、真に問うべきは、„その声の先に、どれだけの責任と行動があるのか“です。耳障りのよい言葉に流されず、現場と向き合い、数字と成果に立脚しながら未来を描ける人間こそが、真の経営者であると私は信じています。

 今後も私は、ただ「改善」するのではなく、「革新」し、「創造」し、「断行」することに挑み続けます。
その先にしか、新しい価値や文化は生まれないからです。

 「経営者が変われば、組織は変わる」のではありません。

 「本気で未来をつくる人間が現れたとき、組織は生まれ変わる」のです。

佐藤 肇祐

佐藤 肇祐Sato Keisuk

ワンダーストレージホールディングス株式会社
代表取締役 兼 CEO

株式会社セブンブレンチ 代表取締役