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2026.08.04

人が動いているときに座るな

「働かざる者、食うべからず。」この言葉を聞いたことがある人は多いと思います。私は、この言葉をことわざとして覚えたのではありません。祖母の口ぐせとして覚えました。私が4歳くらいの頃から、祖母は何度も何度も同じことを言っていました。「人が動いているときに、自分だけ座るな。」「まず自分が動け。」当時は「また始まった…」なんて思っていましたが、今振り返ると、その教えが私の人生をつくってくれたのだと思います。困っている人がいたら、頼まれる前に動く。私にとっては特別なことではありません。祖母にそう育てられただけです。もし、ソファでテレビを見ながら誰かが忙しく動いてるのを眺めていたら…。間違いなく祖母の雷が落ちました(笑)。だから今でも、誰かが忙しく動いているのに自分だけ座っていると、なんだか落ち着きません。祖母はもう一つ、よくこんな話もしていました。「男は人生という戦場に出る。」もちろん、本当の戦争ではありません。家族を守る時。仲間を守る時。会社を守る時。人生には、自分が前に立たなければならない場面が必ずある。だからこそ、「自分の身の回りくらい、自分でできるようになれ。」掃除も、洗濯も、料理も、片付けも、靴磨きも。「戦士は自分の装備を人任せにしない。」それが祖母の考えでした。私は、この教えが経営にもそのまま通じていると思っています。 創業した頃は、営業もしました。掃除もしました。雪かきもしました。夜逃げした部屋の片付けもしました。利用者様やご家族へ頭を下げに行くこともありました。なんでもやりました。「社長なんだから、そんなことしなくても。」そう言われたことも一度や二度ではありません。でも、私の中では逆なんです。社長だから、一番動く。社長だから、一番汗をかく。社長だから、一番責任を取る。それが当たり前だと思っています。会社は今、800人を超える仲間が働く組織になりました。当然、昔のように全部を自分でやることはできません。それでも私は、「全部をやったことがある社長」でいたいと思っています。やったことのない仕事を、「やれ」とは言えないからです。
 私は採用でも、昇進でも、能力以上によく見ていることがあります。それは、人が動いている時に一緒に立ち上がれる人かどうかです。困っている仲間がいたら自然と手伝える人。言われる前に動ける人。「それ、私がやりますよ。」と自然に言える人。こういう人は、どの部署へ行っても必ず信頼されます。逆に、「それ、自分の仕事じゃないので。」と言う人は、一瞬は楽するかもしれません。でも長い人生で見ると、一番大きいものを失います。信頼です。私は人生で自分がコントロールできるものは二つしかないと思っています。信用と評判です。その信用と評判は、特別な能力ではなく、毎日の小さな行動の積み重ねでしか生まれません。「人が動いている時に、自分だけ座らない。」たったそれだけのことです。今でも尊敬する人は誰ですかと聞かれたら、私は迷わず祖父母と答えます。人として生きる土台を私に教えてくれました。誰よりも苦労して戦時から日本を創ってきた人たちだと思っています。もし、祖父母に出会ってなかったら、今の私はいなかったと思います。会社は制度や仕組みでも成長します。でも、本当に強い会社は、「誰かが困っていたら自然と手を差し伸べる人」が増えることで成長していく。私はそう信じています。だからこれからも、ワンダーストレージホールディングスは、「人が動いている時に、自分だけ座らない人」が集まる会社であり続けたい。それが、私が祖父母から受け継ぎ、次の世代へつないでいきたい、一番大切な教えです。

佐藤 肇祐

佐藤 肇祐Sato Keisuk

ワンダーストレージホールディングス株式会社
代表取締役 兼 CEO

株式会社セブンブレンチ 代表取締役